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スマホ脳

1 冒頭

先日、名古屋にある高校に出張授業をしてきました。

授業のテーマは「記憶術」でした。

授業中には私への質問がありました

質問の1つは

「どうしたら集中できるか」というものです。

 

この回答の1つとして、

私は近年のベストセラーである

「スマホ脳」を引用しました。

具体的には『勉強中はスマホを

「おやすみモード」などの

設定にした方がいい』との話をしました。

 

 

この機会に「スマホ脳」の読書感想文に挑戦します。

 

2  読後の感想

 

 

「スマホ脳」の読後の感想はとても悪いです。

この「スマホ脳」では、

スマホの使用が人間の感情・知性に悪影響が

あることをしつこく説明します。

 

わたしもスマホを他の人と同じように

使用しています。

すなわち、私は、この「スマホ脳」が指摘するような

悪影響のあるスマホの使用をしています。

 

そのために、この「スマホ脳」の啓蒙を受け

「わたしは知らず知らずのうちに

悪影響を受けていたのか」と

被虐感でいっぱいになりました。

 

 

3「スマホ脳」の創作経緯

 

著者は精神科医として 

臨床現場に最近特異な傾向があることを実感しました。

特異な傾向とは、著者のスウェーデンでは

「大人の9人1以上が抗うつ剤を服用している」ことです。

また、「ここ10年で向精神薬を

もらったことがあるティーンエインジャーの割合は

倍になった」

との事実です。

 

こうして、

著者は「スマホからうける影響を

正しく認識する必要がある」として、

この「スマホ脳」を執筆しました。

 

4  大雑把 

 

 著者はこのような認識がありながらも、

スマホの使用そのものが直接の原因となり、

向精神薬を服用することになった

との断定はありません。

もちろん、スマホの使用が原因となり、

向精神薬を服用する結果が起きたことを

結論づけるための調査も

実施していません。

 

また「スマホ脳」では

「スマホを長時間使用すると幸福度がひくい 」

という調査結果も報告しています。

 

これらの所感、調査はきわめて大雑把です。

スマホ脳の趣旨は

「スマホの長時間の使用が人間の感情・

知性に悪影響を与える」です。

そうすると、スマホの長時間の使用を原因として

この原因から悪影響という結果が生じているか

の因果関係を認定をする調査が必要です。

 

しかし、「スマホ脳」が参考にする調査は

「相関関係がある」と言えるものばかりです。

相関関係とは

2つの事実が同時に起こっている関係を

示すものです。

 

 

 

 

たとえば、

「スマホを長時間使用する人は

幸福度がひくい 」との

見解を例にします。

幸福度を高めるような

行動・習慣・思考方法がないから、

スマホを長時間使用し、

幸福度もひくくなった因果関係の

可能性もあります。

 

すなわち、このように相関関係は

原因と結果の関係を示すものではありません。

 

なお、「スマホ脳」では

「スマホのせいで勉強時間が減った」

との言及をしています。

この点について、

「学力の経済学(著者:中室牧子 ・

出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン)」において、

「スマホをやめさせても勉強時間は増えない」

との調査結果を報告しています。

具体的には、「1時間の使用をやめさせたら

およそ2分ほどの学習時間が増加しただけ」

と説明しています。

 

 

5 精神科医が進化心理学を講釈

 

著者は精神科医として

臨床現場がここ最近では

特異な傾向があることを実感し、

「スマホ脳」の執筆をしました。

それでも著書は「スマホ脳」」において、

精神科医でありながら進化心理学の点から

スマホ利用の悪影響を説明しています。

医者の肩書を利用しながらも

医学の点から考察していません。

 

また、

進化心理学の人間のモデルは

太古の狩猟採集時代の人間です。

その人間をモデルにすると、

現代社会における生活様式はすべて歪になります

現代社会の象徴ともいえるスマホの使用は、

このような人間をモデルにする

進化心理学からすれば、

歪の集積です。

 

 

6  いままでの生活様式が一変した娯楽品

 

いままでの生活様式が一変した娯楽品として、

ラジオ テレビ、ビデオ ファミコン、携帯電話、

スマホがあります。

生活様式を一変したような革新的なツールには、

そのツールの普及時には批判があります

私が小学生の時にファミコンが普及し始めました。

しかし、「ファミコンをやると馬鹿になる」との考えがあり、

ファミコンを買ってもらえませんでした。

しかし、いまではこのような

テレビゲームの利用自体に対して、

偏見は無くなっているように感じます。

 

それでも、スマホは他の娯楽品との比較をする

と明らかに違うところがあります。

その違いは

コンテンツの制約がなく、

アクセス時間の制約

(または物理的理的使用の制約)が

ないことです。

(ガラケーもアクセス時間に

制約がないともいえます)

 

スマホはパソコンでありネットに接続もできます。

そうすると、世の中にるデータを

保存するサーバーにアクセスできます。

つまり、サーバーにあるすべてのコンテンツに

アクセスできます。

サーバーにあるコンテンツとは

いいまで保存されたのすべてのコンテンツです。

 

スマホによる利用可能なコンテンツは

事実上無限にあると言えます。

 

また スマホはその形状から

どこにでも持っていけます。

つまり、ずっと携帯できます。

ずっと携帯できるので、

物理的に常時利用が可能です。

この点ファミコンなどは、

テレビと接続してゲームをします。

テレビとファミコンの接続が必須なので 

どこでもできるわけではありません。

(携帯電話(ガラケー)は

物理的にいつでも利用は可能ですね。)

スマホはこういう点で

いままでの娯楽品と明らかに違います

スマホは際限なく使用ができます。

 

 

7 個人的は

とはいえ、スマホの使用を前提とした生活が

一般化しているので、

スマホを使用しない

ということは無理です。

それでも、

スマホは際限なく使用する怖さが

あります。

そのためスマホの使用を制限するのが

合理的です。

時間、場所、勉強または仕事などの行為の状況に応じて、

使用を制限すればいいようながします。

例えば、勉強中には

絶対に「おやすみモード」にする

(行為の状況)。

あと21時から朝の9じまでは

電源をオフにする(時間帯)。

それと スマホは共有スペースのみで使用する

(自室に持って行かない)(場所)・

というだけで十分だと思います。